OPENING

樫井 楓(かしい かえで)
それが俺の名前、この名前で15年やってきた。
この春俺は高校に入る。
だけど、その前に
ヒトツの不思議な体験をすることになるとは
思ってもいなかった。
もともと、俺は現実にあるもの以外は信じない方だし
今でも、アレは夢だったんじゃないか、
って、思うときがある。
でも、一枚の葉、そして一冊の本、ソレが現実だった事を
告げている。
俺の意思とは関係なく、ソレがある為に
俺は時々、辛くなったり哀しくなったりする、
でも、あの出会いは俺たちにとって
掛け替えのないものになったんだ。



小田原 椎(おだわら しい)
これが私の名前、この名前で15年過ごしてきたの。
この春私は高校に入る。
でもその前に、
夢みたいな出来事があったの。
あっちの皆はとっても優しくてとても親切で、
とても楽しかった。
戻ってくる前に彼女に会えなかったのが
残念だったけど、
でも、いつか
また
会えるよね。
私にとって、みんなとの出会いは
とても、大切なものダヨ。



椚田 芳規(くぬぎだ よしき)
俺の名前だ、この名前で俺は17年やってきた。
高校を中退しようと考えてたときに
俺は幻みたいな出来事を体験した。
アレは、本当に
幻想みたいなそんなところだった。
あっちのやつらは妙に親切で妙に馴れ馴れしかった。
だが、今思うと
ソレは鬱陶しい(うっとうしい)ものではなかった。
むしろ、半端だった俺を
受け入れてくれる分
こっちの奴らよりは数段マシだった。
しかし、ひとつだけ
辛い現実がある、
ソレは俺をきりきりと締め付けるように
痛い、現実だ。



梅園 悠(うめぞの はるか)
私の名前は梅園悠、この名前で15年間過ごしてきた。
この春高校に入る前に
私は不思議な体験をした。
夢みたいな幻みたいな
そんな世界だった。
でも、ソレは間違いなく現実で
夢じゃない。
私はいい経験をしたと思う。
いえ、そう思わないと、
みんなが、
可哀相よ。
だから、私はあの経験を忘れない。




BACK TO PAGE NEXT