出会い
An encounter
「きりーつ」
号令係がみんなに号令をかけた。みんなが一斉に起立した。
「れい、ありがとうございました！」
「「ありがとうございました！！」」
号令係のあいさつの後にみんなが一斉に先生にあいさつした。
（あーあ、今日もいつもと変わんなくてつまんない一日だったなぁ）
菜緒は帰りの支度をしながらそんなことを考えていた。
「菜緒ちゃん、一緒に帰ろうよ！」
いきなり後ろから話しかけられて菜緒は驚いた。
「うっわ！なんだ、真希かぁ」
「何そんなに驚いてるのよ？なんか考え事してたの？」
「ううん、何でもないよ」
「そう、ならいいけど。ねぇ、それより一緒に帰ろうよ。
最近私の家の近くにかわいいお店できたからさ寄ってこうよ」
「・・・うん」
菜緒は適当に相づちをうった。菜緒にはかわいい店よりなにか
新しいことが起きて欲しいなという気持ちの方が強かった。
「でねー、そのお店で売ってるもの全部かわいいんだよー」
「ふーん」
真希は相変わらずべらべらと、菜緒は相変わらず適当に流していた。
と、突然真希が
「あっ！ねえ、菜緒ちゃん、向こうに黒猫がいるよ」
「え？」
真希に言われた方に顔を向けた。すると、そこにはこっちをじっと見ている
黒猫が一匹いた。
その黒猫と一瞬眼があった。
と、突然。
「か、か、か、・・・」
いきなり隣にいた真希が肩をふるわせながらか、か、かと意味不明に連発している。
「うわ、どうしたの真希！」
心配する必要もなかった。
「か、か、カワイイ！！」
そう言いながら、黒猫に向けて突進した。
（・・・また、真希の発作みたいなアレね・・・・）
そう考えながら菜緒はげんなりした。ふと、黒猫の方に眼を向けるとまだ菜緒のことを
じっと見ていた。
（真希も変だけど、あの黒猫も少し変だなぁ）
そんなことを思っているといきなり黒猫がふぎゃあと鳴いた。
原因は真希が勢い余って黒猫の尻尾を思いっきり踏んづけたらしく今でもまだ黒猫の尻尾に
真希の脚がのっている。
笑って見ていると次の瞬間には真希が消えていた。
「え？」
何が起きたのか分からずその場に立ちつくしていた。
なぜか黒猫が近寄ってきた。そして、また驚く事が起きた。
「ねえ、君の友達助けたくない？」
（え、猫がしゃべった・・・？）
To be contenued...
